フルカラーのデザインでTシャツを作りたい。写真のような非常に細かいデザインをプリントしたい。とくにグラデーションの滑らかさをキレイに表現したい。そのようなときにオススメなのがインクジェットプリントです。版代が不要なので、1色プリントでも100色プリントでも、色数制限無し、版代不要でプリントできます。
また、インクジェットプリントは印刷工程で水をほとんど使用せず、必要最低限のインクでプリントするため、環境配慮型のプリントです。
- フルカラープリントをしたい方
- ヴィンテージライクなフルカラープリントの商品を作製したい方。
- 前処理剤の変色トラブルをなるべく避けたい方。
- 発注枚数の少ない方
- フルカラーで全面プリントをしたい方
目次
SIPインクジェットとは?
SIP インクジェット 白引きなし
白生地や薄い色の生地には、白引きをせずに、カラーインク(CMYK)のみをプリントします。染み込みプリントのような柔らかい風合いに仕上がります。
SIPの最大の特徴は、印刷する台が、フラットベッドで、製品を平置きしてプリントするということです。そのため、白引きなしの場合は、全面プリントやはみ出すようなプリントが可能です。他の機械は、差し込みでプリントするため、プリント面積に制限がありますが、SIPでは非常に制限が少なくプリントすることが可能です。また、インクジェットヘッドの高さの調整が可能なので、凹凸のあるアイテムにもプリント可能です。
SIP インクジェット 白引きあり
白インクをカラーインクの下地にプリントすることで、濃色生地にプリントすることが可能です。仕組みは、白インクを生地の上に留めるために、前処理剤を塗布します。前処理剤を乾燥後、白インク、カラーインクの順でプリントします。
白インクがプリントされているので、白引きなしより風合いが堅く感じられます。白インクのみのプリントも可能です。
プリントの乾燥方法が、他のインクジェットと異なるため、プリント面がザラっとした仕上がりになります。アパレルライクな仕上がりです。また、ヴィンテージな雰囲気のグラフィックと相性が良い技法です。
また、インクジェットプリント白引きありで前処理剤の変色トラブルが比較的少ない技法です。
インクジェット白引き「なし」「あり」どちらを選べばいいの?
基本的には、白や淡色系のアイテムには、白引きなし、黒や濃色系のアイテムカラーには、白引きありをご選択ください。デザインに白い部分がある場合は、白引きありになります。また、少しでも柔らかく仕上げたい方や、中間色のアイテムカラーをお考えの方は、下記画像の「インクジェット白引きなしの見え方」を参考にお選びくださいませ。
見え方目安の画像
プリント仕上がりの見え方
インクジェット白引きなしの見え方
《使用アイテム》
上段:085-CVT 129 チャコール/128 オリーブ/165 デイジー
中段:085-CVT 010 レッド/001 ホワイト
下段:085-CVT 032 ロイヤルブルー/003 杢グレー/133 ライトブルー
SIPインクジェットプリントの最大プリントサイズ
白引きなしの場合:最大XXXLサイズくらいまで(横150cm ✕ 縦100cm)
*全面などのはみ出し可能。詳しくは全面インクジェットページを御覧ください。
白引きありの場合:最大 横65cm ✕ 縦65cm ※柄がアイテムからはみ出す場合はUPチャージになります。
インクジェットのデータ入稿について
- 完全データで入稿してください。(大きさ等)
- Photoshopやイラストレーターでご入稿のデータが一番キレイにプリントできます。
- 背景を透過してあるとよりキレイにプリントできます。(特に煙やモヤっぽい表現、グラデーションなどはクオリティの差が顕著にでます)
- JPGなどの画像データでも大丈夫ですが、解像度によりクオリティの差がでます。
- 画像作成時に解像度を指定できる場合は【300 pixel/inch】以上が理想です。
- 細かい文字は滲む可能性があります。(特にベタ塗りの上の文字や線など)
インクジェットプリントの特記事項
インクジェットプリントは綿素材のみに対応
インクの特性上、綿素材にしかプリントできませんので、ポリエステル100%のような商品にはプリントができません。綿50%・ポリエステル50%のような混率の商品に対してプリント可能ではありますが、 綿100%の素材に比べて発色やデザインの解像度は悪くなります。また、初めての洗濯時に、ポリエステル繊維に付着していたインクがとれますので、全体的に色が薄くなってしまいます。綿100%以外にプリントされる場合は、サンプル製作をオススメします。(その後洗濯テストまですることをオススメします)
インクジェットプリントの洗濯堅牢度
下記が検査結果表になります。
級の数字が大きいほど良い結果となります。通常の洗濯堅牢度は4級以上あります。ただし、湿摩擦の結果があまりよくありません。湿摩擦は濡れた状態で擦れたときのインクの堅牢度になります。ですので、洗濯する場合はソフト洗いで、洗濯槽にあまり衣類を詰め込まない状態をオススメいたします。ひっくり返して、ネットに入れて、ソフト洗いが最善です。タンブラー乾燥やドライクリーニングは厳禁となります。通常の綿100%のTシャツでの検査結果になります。インクジェットをご注文のお客様は検査結果をご確認の上ご注文くださいませ。(アパレルブランドで一般的に流通しているインクジェットプリントの堅牢度となります)
環境に優しい
インクを使う=環境に悪いというイメージもあるかもしれません。丸昇が仕様するインクは水性インクとなりまして、環境品質基準をクリアしたインクをメーカーから仕入れて使用しております。また、インクジェットプリントは水を使用せず、必要最低限のインクのみで印刷するためより環境に配慮されたプリント技法となります。
インクジェットプリントのお見積り
単価目安
上記はあくまで目安単価です。また、下記に当てはまる場合はUPチャージになるか、プリントができない場合もあります。
- デザインがTシャツ等からはみだす場合
- マスキング等が必要な場合
- プリントが縫製箇所にかかる、または、縫製箇所の影響を受ける場合
- アイテムサイズごとにプリントサイズを変える場合
- データ再入稿&データカラー変更の場合は再度データ処理代がかかります
インクジェットプリントはデータ処理代が別途必要になります
お客様から頂いたデザインデータを、インクジェットの機械でプリントできるようにデータ処理を行います。データ処理代は、 1柄につき3000円になります。追加生産して頂く場合は必要ありません。まれに「データ処理はこちらでしますので、データ処理代はなしにしてもらえますか?」とお問い合わせを頂きますが、お客様のデータをプリントするために、専用のフォーマット(拡張子)に変換する作業と色合いの調整が必要になるためです。ご理解の上、ご注文よろしくお願いいたします。
※データ再入稿やカラーの変更等がある場合は、別途データ処理代が必要となります。
コミコミ価格例(アイテム代、データ処理代、プリント代)
色の薄いTシャツにプリント(インクジェット(白引きなし))
10枚 | 20枚 | 30枚〜 | |
---|---|---|---|
アイテム代 | 500円 | 500円 | 500円 |
プリント代 | 700円 | 600円 | 500円 |
データ処理費 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
合計 | 15,000円 | 25,000円 | 33,000円 |
1枚あたり | 1,500円 | 1,250円 | 1,100円 |
別途、送料・消費税。
アイテム代は参考価格です。その他アイテムはこちら。
色の濃いTシャツにプリント(白アンダーインクジェット)
10枚 | 20枚 | 30枚〜 | |
---|---|---|---|
アイテム代 | 500円 | 500円 | 500円 |
プリント代 | 1,050円 | 950円 | 850円 |
データ処理費 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
合計 | 18,500円 | 32,000円 | 43,500円 |
1枚あたり | 1,850円 | 1,600円 | 1,450円 |
別途、送料・消費税。
アイテム代は参考価格です。その他アイテムはこちら。
最大サイズでTシャツにプリント(白アンダーインクジェット)
10枚 | 20枚 | 30枚〜 | |
---|---|---|---|
アイテム代 | 500円 | 500円 | 500円 |
プリント代 | 1,200円 | 1,100円 | 1,000円 |
データ処理費 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
合計 | 20,000円 | 35,000円 | 48,000円 |
1枚あたり | 2,000円 | 1,750円 | 1,600円 |
別途、送料・消費税。
アイテム代は参考価格です。その他アイテムはこちら。
インクジェットプリントのオプション
必ずお読みください(デメリット等)
インクジェット(白引きあり)&高彩度インクジェットは納品後お早めに洗濯をお願いします。
- インクジェット(白引きあり)&高彩度インクジェットは前処理剤を塗布します。 前処理剤はシミのような跡が残ることがありますが、通常は洗濯をすることによってキレイになります。
- 基本は前処理跡が残った状態での納品となります。
- 前処理剤と生地との相性によっては前処理の跡が強く残る場合もございます。特に白や淡い色のアイテムです。(例えばライトブルーやライトピンクなど)前処理跡が強く残った場合でも洗濯を繰り返すことで徐々に薄くなっていきます。
- 前処理を落とす洗濯を丸昇に依頼することも可能です。洗いをご希望の場合はお伝え下さい。別途お見積りいたします。ただし、アイテムによってはワンサイズ程、縮む場合もございます。洗いによる縮みを最小限にしたい場合は、天日干し希望と指示してください。
- ご自身で洗濯される場合、タンブラー乾燥(乾燥機)をするとプリント同士がくっついてしまうことがあります。タンブラー乾燥はお避け下さい。インクジェットは湿摩擦に弱いので、できれば手洗い、洗濯ネットにいれて弱洗いを推奨します。
前処理跡が出てしまったTシャツ例
前処理剤を放置した場合
前処理剤が残った状態で太陽光に当てると、前処理剤と紫外線が反応し、黄変します。
左側画像の上部は前処理剤が残ったまま日光に3時間当てた状態。下部は未加工の状態です。
先に洗いをして、前処理剤を落とせば問題ございません。
滲み(にじみ)について
顔料インクジェット(白引きをしない)の場合、インクが重なり合う部分や小さいデザインや小さい文字が滲む場合があります。
白引きインクジェットの白引きズレについて
白引きインクを塗布後に顔料インクにてフルカラー印刷します。白引きインクと顔料インクで多少の柄ズレ(0.5mm前後)生じる場合がございます。気になる方はサンプルからご依頼くださいませ。
段差が部分へプリントした場合、柄がボケたりダブったりします。
例えば、ポケットにかかるようにプリントしたりすることができます。ただし、段差の高い側にインクジェットのヘッド(インクがでるところ)を合わせますので、段差の低い側は柄がボヤけたり、ダブったりすることがあります。出来上がりにこだわる場合はサンプルからの製作をオススメします。
アイテムカラーやアイテム品番、サイズのロット違いによって仕上がりに差がでることがございます
例えば、黒アイテムと青アイテムなどアイテムの色違い、Tシャツとパーカーなどアイテムの種類違いで、仕上がりの風合いや色の濃さが変わってしまう場合があります。同じ品番のアイテムでもサイズやロットが違うと仕上がりに差が出る場合がございます。前処理剤や白アンダーの濃度の影響でどうしても避けられないためご理解の上ご注文よろしくお願いします。
AAA(トリプルエー、ALSTYLE、アルスタイル)アイテムでの加工は非推奨
表題のブランドのアイテムのみ、なぜか洗濯後、プリントが剥がれてしまうことがあります。トラブル防止の為、AAA(トリプルエー、ALSTYLE、アルスタイル)のアイテムは非推奨となります。